個人(家計)や企業経営者の投資行動

投資の意思決定にはどんな要素が関係しているのか?

個人が株式や投資信託などへの投資をするとき、あるいは企業経営者が工場の建設や人材(人財)育成などに投資をするとき、そうした投資の意思決定にはどんな要素が関係しているのか。こうした問いを解明しようと、行動経済学や行動ファイナンスという分野などで研究が活発に続けられています。その成果として、投資行動の意思決定には実に様々な要素が複雑に関係していることがわかってきています。たとえば金融・経済の知識、そうした知識に対する主観的な自信、せっかちさ、リスクのとらえ方などです。

上手な投資をしている人の特徴をデータから明らかにする

私の目下の研究テーマは二つです。一つは、どのような特徴の人たちが投資の合理的な意思決定をしているのかというもの。これは、どういう人が上手な投資をしているのか、とも言い換えられます。たとえば株式や投資信託に投資する場合、投資対象を分散することはリスクを低減できることが理論的に証明されていますので、合理的だと言えます。そこで、分散投資をしているのはどのような特徴の人なのかをデータ分析を通して明らかにしたいと考えています。

どんな人にどんな金融・経済知識をどのように学んでもらうか?

もう一つは、金融・経済を学ぶことで投資の意思決定がどう変化するのかというもの。2022年度からは高校で金融教育が始まりましたが、金融・経済の正しい知識がより多くの人に理解されれば、1人ひとりの状況や人生設計にあった投資が実現する可能性があります。人生100年時代の長い老後に備える資金を無理なく準備できるよう、どんな人にどんな金融・経済の知識をどのように学んでもらうことが投資の適切な意思決定につながるのか探究しています。

投資を始める人を対象に調査をしたら……

この原稿を書いているのは2024年4月上旬なのですが、つい最近、日本とアメリカの株式市場で平均株価が史上最高値をつけたことや日本でNISA(少額投資非課税制度)が始まったこともあり、投資を始める人が大幅に増えています。そうした投資初心者を調査対象にして得られるデータを分析したら、とてもおもしろい研究になるでしょう。
最後に、行動経済学を研究する1人として、もうひとつ触れておきたい「つい最近」のことがあります。それは、プロスペクト理論をはじめ多くの行動経済学研究で2002年にノーベル経済学賞を受賞したD.カーネマンが3月に亡くなったことです。投資を始める人の急増とカーネマンの死去。私はこれら2つを頭のなかで勝手に結びつけ、もしカーネマンなら投資を始める人を調査対象にしてどんな研究をするだろうか、などと考えてみたりもしています。

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